top of page
検索
  • info485417

日本の精鋭トップミュージシャンと、ワンアンドオンリーの世界最高峰アルトサックスプレーヤーが生み出す幸せな空間

更新日:2020年6月1日

David Sanborn & Blue Note Tokyo All-star Jazz Orchestra Directed By Eric Miyashiro 2017.12.5[tue] at Blue Note Tokyo 山吹 譲

 ドナルドフェイゲン急病のため中止になったBlue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN 2017で予定されていた、デヴィッド・サンボーンとBLUE NOTE TOKYO ALLSTAR JAZZ ORCHESTRAとの共演がついに実現。  高校生のころからサンボーン様に憧れ、かつビッグバンドにも日々お世話になっている私にとっては夢のような企画で、選曲やアレンジ、はたまたどんなステージになるのかひっくるめとても楽しみにしつついざブルーノート東京へ。  オープニングの『Trains』から始まり、エリックさんの「One and only」の紹介とともに、はやくも毎度おなじみ黒いスーツを身にまとったサンボーン様(以下一部敬称略)が登場。御年72歳とだいぶ年をとったとはいえ、相変わらず渋くてかっこいい。そしてスティービー・ワンダーの『Another Star』の演奏が始まり、サンボーンのサックスから音が紡ぎだされた瞬間会場の空気感がガラッと変わる。初めの一音ですでにサンボーンワールド全開。いつ聞いてもこの瞬間がほんとたまらない。PAの影響もあるのだろうが、ビックバンドの音にまじってもひときわあの独特のサウンドが際立っている。そして一通りフレーズを吹き終わるとと、「らららららーらららーららー」とこの曲のテーマを歌うお茶目なサンボーン様。  そいえば、最近ライブでよく歌ってるなサンボーン様。ぶっちゃけ歌はあんまりうまくないけど、それもご愛嬌(笑)。  そこから、『Maputo』『 Camel Island』と往年のナンバーが続く。『Maputo』は、イントロでサックス隊全員がフルートに持ち替え幻想的な雰囲気を作り出し、サンボーンを引き立てる。『Camel Island』ではビックバンド側がテーマを演奏したAメロと、Bメロからのサンボーンの駆け上がるフレーズのコントラストが曲に彩りを添える。この2曲はサンボーンが参加してる様々なフォーマットのバンドで演奏されているが、今回のビッグバンドアレンジはとてもかっこよい。  次は直近アルバム Time and The Riverから『Ordinary People』と続きサンボーンと小池 修さんのソロバトルとか、もはやフュージョンマニアにはたまらないシーンが見られた『Senor Blues』をはさんで、これまたTime and The Riverから『Spanish Joint』。かつてナイトミュージックの共演シーンで、ディアンジェロに邪険に扱われてた気がしてちょっと切なくなったことをなぜか思い出しつつサンボーンとはかつてソリッドブラスのアルバムで共演してる村田陽一さんのストイックかつ熱いソロが展開される。ソリスト紹介で、何度も「Yoichi Murata」と紹介するサンボーンもなんだかうれしそうだ。(話はそれるが、ソリッドブラスの『Goodby Pork Pie Hat』のサンボーンのプレイめっちゃかっこいいですよ。)  MCで「Time and The Riverのアルバムジャケットに使われている川という漢字は三本(=サンボーン)なんだろ。Genius!!!!」と3本指をたてながら、茶目っ気たっぷりにおやじギャグをとばすサンボーン。いやGeniusなのはあなた自身ですから。なんだか今日は体調もよさそうで、本人もとても楽しそうだ。  ラストはなんとベースの納浩一さんフューチャーで、『Run for Cover』。納さんのベースプレイに加え、若干20歳なのにいい意味で脂ののりまくってるおっさん的プレイをする川口千里ちゃんのドラムもよい塩梅。そして、リードアルト鈴木明夫さんとサンボーンの日米劇渋おじさま対決による熱いソロバトル。(+途中からトランペットのマイケルさんもからみだす。)サンボーンもフラジオであおるあおる。「もっといけいけ〜」と心の中で叫んでたら、あっという間にテーマに戻って曲が終わる。なんて、かっこいいおじさま(おじいちゃん?)たちなんだ。そしてこれもほぼ、サンボーンのライブでは伝統芸能化してきた「もう1曲聞きたい?」からのアンコールのド定番『The Dream』でライブは終演を迎える。  日本ではみなトップに君臨している魅力的なミュージシャンたちが、ビックバンドというフォーマットの中で各役割に徹し、サンボーンを心からリスペクトし、ともに素晴らしい音楽を作り上げようとしているのが伝わってくる、そんなとってもすばらしいライブだった。そしてたぶん観客以上にステージ上のミュージシャンたちが今回のサンボーンとの共演を一番楽しんでいたのではないだろうか。絶対、みんな昔からサンボーン好きだったに違いない(笑)。  BLUE NOTE TOKYO ALLSTAR JAZZ ORCHESTRAと様々な世界的アーティストとのコラボレーション企画、今後ともますます楽しみです。  あとほんと長生きしてくださいね、サンボーン様。 *僭越ながらこのようなレポートまで書かせていただく機会をいただいたことに感謝して、私のライブレポートは終了したいと思います。 読んでいただいた方ありがとうございます。 1.Trains (Mike Mainieri) 2.Another Star (Steivie Wonder) 3.Maputo (David Sanborn) 4.Camel Island (Marcus Miller) 5.Ordinary People (David Sanborn) 6.Senor Blues (Horece.Silver) 7.Spanish Joint (Deangelo) 8.Run For Cover (Marcus Miller) ac.The Dream (Michael Sembello)

David Sanborn(sax) Eric Miyashiro(tp,conductor) Akio Suzuki(sax) Takahiro Miyazaki(sax) Osamu Koike(sax) Ryoji Ihara(sax) Takuo Yamamoto(sax) Michael Bookman Jr.(tp) Isao Sakuma(tp) Teppei Kawakami(tp) Atsushi Ozawa(tp) Yoichi Murata(tb) Eijiro Nakagawa(tb) Masahito Kawahara(tb) Junko Yamashiro(tb) Makoto Aoyagi(p) Koichi Osamu(b) Senri Kawaguchi(ds) Yoichi Okabe(per) 山吹 譲 Joe Yamabuki:Sax吹き 大学でFusionサークルに所属し、その後Soul/Funkバンドにて都内ライブハウス中心に活動。 現在は山吹町のアマチュアビッグバンドにひっそりお世話になっている。 サンボーンはもちろん、ロバート・グラスパー、ミシェル・ンデゲオチェロ、ジャミロクワイを初めとした色んな音楽と赤提灯系飲み屋をこよなく愛す。




Photo by Yuka Yamaji

bottom of page