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レジェンド山口真文とビッグバンド

辰巳哲也アンプラグド・ジャズオーケストラ Plays Music of Wayne Shorter + more Introducing arrangements of Mats Holmquist 2015.09.23[wed] 東京TUC TSUN

 山口真文さんをご存じですか?慶應のKMP出身ということですが、ご自身の経歴からするとビッグバンドフィールドの人ではなくソリストとして活躍されてきたサックスプレイヤーです。  実はわたし、学生の頃(30年以上前)から真文さんのサックスの音色の大ファンでした。  フュージョンブーム全盛期に鈴木宏昌さんを中心に活動していた「The Players(当初はコルゲンバンドと呼ばれていた)」のメンバーとして絶大な人気があり、その透明感のある伸びやかなサウンドに心酔していました。このバンドには3枚のアルバムを残し、それ以後はボブ斉藤氏に引き継ぎ退団してしまいます。この3枚のアルバム、ほんとの話、何百回聴いたかしれません。サックスソロは今でも口ずさめちゃいます。バンドのカラーがややウエザーリポートのサウンドに影響を受けていたこともあり、完全に真文さんをウエイン・ショーターに重ね合わせて聴いていました。その頃の日本ってそんなふうだったんです・・・。ほかにもこのバンド、スティーブ・ガッドやエリック・ゲイルもいましたから(今聴くとみなさんオリジナリティのあるすばらしいミュージシャンです。こんな書き方してスミマセン)。学生だったのでお金なかったんですが、ずいぶん六本木や新宿のPIT INNにも通ったものです。そして、その頃発表したソロアルバム「MABUMI」には驚きました。もちろんいつもの真文さんの音なのですが、サポートメンバーがケニー・カークランド、ミロスラフ・ヴィトウス、トニー・ウイリアムスという、無知だったわたしも「ムムッ!」と思わせる最強の面々です。素晴らしい内容で、前3作に加えこのアルバムも「ワタシのお気に入り」としてたいせつに保管されています。以後佐藤允彦さんやジョージ大塚さんとの活動など、刺激的な音を聴かせ続けてくれたワタシのレジェンドなのです。  そんな折、辰巳哲也さんが粋な催しを企画してくれました。  昨年、Dave Liebman Big BandがMats Holmquistのアレンジで発表したショーター作品を中心に、Tetsuya Tatsumi Unplugged Jazz Orchetraでとりあげるというもの。この話の流れから、当然山口真文さんがゲストソリストです。  他にもマイルスやコルトレーンなどジャイアンツのおなじみの曲を披露してくれました。ジャズファンにとっては思い入れの深い名曲ばかりですが、なんといってもアレンジが独特です。どの曲も原曲がもっているディテールを活かしながら、より密度の濃い斬新な仕掛けが施されています。1曲の中にストーリーがあり、山と谷、緊張と緩和が繰り返し訪れ、聴くものに油断を与えない鋭角的なサウンドです。しかし、辰巳氏がこだわるPAを通さない生音は、気持ちよく会場全体に響き渡ります。  そしてなにより、このめまぐるしく展開する楽曲の上を、いや、間をぬうように真文さんのあのサックスサウンドが突き刺さってきます。真文さんて、ステージの上ではほとんどしゃべらないし、表情も変わらないのですが、音は曲を重ねるごとに輝きを増して楽しそうに歌っていました。あの頃とまったくおなじように。  辰巳さんが「来年また真文さんとこのプログラムでいっしょにやりたい」と話してくれました。たのしみです。 辰巳哲也 (tp, cond) 山口真文 (ss,ts) 峰崎芳樹、羽毛田耕士、松木理三郎、淡路泰平、佐瀬悠輔 (tp) Fred Simmons、フジイヒロキ,上杉 優、堂本雅樹 (tb) Steve Sacks、八巻綾一、竹村直哉、宮木謙介、武田和大 (sax) 駒村 光 (g) 道脇直樹 (p) Pat Glynn (b) 勘座 光 (ds) Set List Windows (Mats Holmquist) Afro Blue (Eero Koivistoinen) El Gaucho Infant Eyes (Mats Holmquist) Speak No Evil (Mats Holmquist) Crystal Silence (Mats Holmquist) Nefertiti (Mats Holmquist) Witch Hunt (Mats Holmquist) Iris (Mats Holmquist) Black Nile (Mats Holmquist) Naima (Eero Koivistoinen)




Photo : Akira Tsuchiya

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