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‘80年代を駆け抜けたフュージョンミュージックとミュージック・マジック・オーケストラ

MMOみんなフェスタ2014 2014.07.06[sat] at 南青山 MANDALA TSUN

 フュージョンミュージックって、みなさんはどういうイメージでとらえていますか?「’80年代に流行っていたBGMのような軽〜い音楽?」や「スムースジャズのことでしょ?」と、若い人は言うかもしれませんね?あるいはちょっと音楽演っている人だったら「電気楽器を使った16ビートの音楽だよ」と限定的に語ってしまうかもしれません。思い浮かべているのはカシオペアやスクエアのようなサウンドなのかな?最近はあまりフュージョンという言葉も使われなくなってしまったので、やっぱり過去に流行った一時的な音楽ジャンルということになっているんですね。  もともとはクロスオーバーと言われていたものが’80年に入ってからなぜかフュージョンと改名されました。当時、なんと言っても人気の推進力となったのは渡辺貞夫さんの『カリフォルニア・シャワー』です。資生堂のTVコマーシャルから爽やかに響くキラキラしたサウンドは、ジャズとは無縁だった老若男女を虜にしました。そして、マクセルのTVコマーシャルにはネイティブサンが登場し、アフリカの大地を演奏しながら行進する、今となっては信じがたいような映像がお茶の間に流れていたのです。ネイティブサンと言えば故・本田竹広氏や峰 厚介氏ら思いっきりジャズくさい、ひげ面のおじさん達です。美しい寺井尚子さんが金鳥のコマーシャルに出るのとは訳が違うのです。音楽がその時代の空気に同期したからこその珍事だったのかもしれませんが、左様に音楽にはむさ苦しいおじさんをアイドル化してしまうほどの力があったということでしょう。  さて、今回の主役ミュージック・マジック・オーケストラは、作編曲家でありサックスプレイヤーの内山有希夫氏が中心となり、’82年に結成されたビッグバンド。編成は正真正銘ビッグバンドであり、ベイシーやサドメルとなんら変わるところはないのですが、やっぱりこの時代です。サウンドはまさにフュージョン。あの時代を席巻したフュージョンサウンドを、こともあろうにビッグバンドで演っているのです。ここである疑問が湧いてくるのですが、ビッグバンドは人数が多い分エッジが甘くなり、シャープなサウンドを求められるフュージョンには不利なユニットではあります。よく「ロックの名曲をビッグバンドで」という企画の大半が支持されない要因の多くに、このエッジの効いたサウンドが再現できない、というところにあるのだと思います。これが吹奏楽団になるとさらに残念な結果になってしまいますね?しかしこのミュージック・マジック・オーケストラは鋭い切れ味を持ったサウンドを有しています。メンバーの技量によるところはもちろんですが、内山氏の巧みな編曲も大きな要因です。爽やかでキャッチーなメロディが持ち味であるとともに、歯切れのいいサウンドは、今の若い人たちにも十分共感をもって受け入れられるものだと思います。ベイシーのネバ〜ッとしたノリにお悩みの若いひとは、こんな世界に触れてみるのもいいかもしれませんよ?もちろんわれわれおじさんたちも実はやりたいんです。フュージョン。  ということでこの日はミュージック・マジック・オーケストラを愛する3バンドが内山氏をゲストに迎え、ここ南青山MANDALAに集結しました。16ビートのノリが染みこんでいるこの世代の人たちの演奏は、まさに鉄壁!盛り上がったことは言うまでもありません。 出演: ボギー・ペースオーケストラ マジック・ハートオーケストラ フェニックスバンド フェスタバンド Guest:内山有希夫

TSUN(土屋 章)BIGBAND! 編集長





Photo:Akira Tsuchiya


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