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東京藝術大学とビッグバンド・ジャズ

ジャズin 藝大2014 藝大から巣立ったジャズメン 2014.07.26[sat] 東京藝術大学 奏楽堂 TSUN

 暑い夏、といえば私の場合「山野ビッグ・バンド・ジャズ・コンテスト」が頭に浮かびます。地方予選を通過した全国選りすぐりの学バンが、最高のパフォーマンスを披露するこの大会。大学生ビッグバンドの「今」を感じ取ることが出来ます。技術的にはもう完璧!私のような社会人ビッグバンド側から見たら、どの学校も非の打ち所がありません。選曲もいいですね。スイングやコンテンポラリー、ファンクなど音楽性の幅広さも感じます。  そんな中、近年の一つの話題として、音楽大学の存在が取りざたされています。もちろん音楽を専門に勉強し、音楽家を目指している学生さんたちですから「キミたちより上の世界を目指しているんだよボクたちは」的な雰囲気をまとって出場してきます(そんなことない?)。演奏はうまい上に学曲もオリジナルでしかも水準の高いものばかり。毎年楽しみにしているのですが、諸々事情があったようで昨年から国立音大ニュータイド・ジャズオーケストラが出場を辞退しました。あたりまえのように最優秀賞を獲得していたバンドで、他の学校はホッとした?いやいや、少なからず影響も受けていたはずです。わたしとしてはとても残念な出来事でした。  国立音学大学や洗足学園音楽大学がビッグバンドにおいて大きな成果を上げている中、そう言えば天下の藝大は?と考えたこと、実はありませんでした。藝大はジャズなんか気にも留めていない、んだろうな〜と。しかし、勉強不足でした。この日、校内にある奏楽堂でMANTO VIVOという東京藝術大学ビッグ・バンドが中心となる演奏会が行われました。その名も「ジャズin 藝大2014」。サブタイトルからもわかるようにOBをゲストに迎え、なんとディレクターはマルタさん。彼も卒業生だったんですね?驚いたことにリードアルトが須川展也さんですから興味惹かれます。つまりOBと言っても藝大なので?みなさんクラッシック界の巨匠ばかり。  この日最も聴きたかったのが1曲目に演奏された「ヴィニフィラ」。今もっとも注目したい女性アレンジャー、アイン・インセルトの曲です。ボブ・ブルックマイヤーの流れをくむ、精緻でスペイシーな空気感をもつ美しいサウンドはこのバンドのキャラクターにピッタリです。さすがにこのバンド、楽器が気持ちよく鳴っていて爽快な演奏をしてくれます。しかし続いて演奏される「ファン・タイム」などベイシーの曲になると、「グンっ」ていう密度?のようなものが欠けていて、物足りなさを感じてしまうのは仕方ないところ?(すみません抽象的な言い方で) 第2部のグレン・ミラーやチャイコフスキー、松下氏のオリジナル曲などは学生よりも教授陣が楽しんでいるといったセットで、これはこれでほほえましくも楽しい公演でした。  まさか、山野に出てくるということはないでしょうが、藝大ならではのジャズに対するアプローチを、広くアピールしてくれることを今後も期待しています。 MALTA (Saxophone・Conductor) MANTO VIVO(東京藝術大学ビッグ・バンド) 塚原小太郎(Piano) 岡崎好朗(Trumpet) 小畑善昭(Oboe/東京藝術大学音楽学部教授) 古賀慎治(Trombone/東京藝術大学音楽学部准教授) 須川展也(Saxophone/東京藝術大学音楽学部招聘教授) 則竹裕之(Drums) 藤井美智(Trumpet) 山本正治(Clarinet/東京藝術大学音楽学部教授・演奏藝術センター長) 松下 功(司会/東京藝術大学副学長・演奏藝術センター教授)ほか

Set List ヴィニフェラ (Ayn Inserto) ファン・タイム (Count Basie/Sammy Nestico) ムーンライト・セレナーデ (Glenn Miller) 茶色の小瓶 (Glenn Miller) 《くるみ割り人形》より (P.I.Tchaikovsky) きらきら星(W.A.Mozart) 浅草ジャズ・ラプソディー(松下 功) ハーフムーン・ストリート(MALTA) TSUN(土屋 章)BIGBAND! 編集長