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ジャズという音楽は過去でも未来でもなく「今」をどう表現するのかということ

宮間利之とニューハード 2014.08.2[sat] at スペースDo[東京・新大久保] TSUN

 音楽の魅力ってどういうところにあるんだろう?「ウキウキしてくる!」とか「癒やされる〜」なんていうのが音楽の効用と言えるのかな?たしかに音だけで人の気持ちに変化を与えるんだから、それだけでもたいした代物です。たとえば1枚のCDを1時間、目をつぶって聴くなんて、考えてみたら凄いことだと思いませんか?音に力がなかったら、忙しい現代人を1時間も拘束することなんてできません。わたしはそういう力のある音楽を今でも探し続けているんだと思います。宝探しをするように。  逆によく耳にする「この曲聴くと当時を思い出すんだ〜」というノスタルジックな感想はどうでしょう?これも音の力でタイムスリップさせちゃうんだからたしかに凄いことです。ただ演奏者がタイムスリップ効果を意識していくと、その音楽はいつしか「懐メロ」と呼ばれ、悲しいかな刺激を欲している若い人は去っていってしまうのです。若い人(だけじゃない)にとって「昔はよかった」じゃないし、「未来は明るい」というノー天気なことでもなく。「今がどうなのか!?」なんだと思います。違いますか〜?  日本の名門ビッグバンド「ニューハード」は1950年結成ということで64年も活動しているということになります。リーダーの宮間さんは92歳というから驚きです。そしてさらに驚くのがこのバンド、音がとても若々しく挑戦的。この日は、恒例になっている東京・新大久保にある楽器店DACが協賛するイベント。選曲はこのバンドの十八番が中心なのだが、どの曲も「今」を感じさせる瑞々しさがあり、聴衆を引きつける力があります。アレンジはメンバーの山木幸三郎氏をはじめ、日本を代表するようなアレンジャーの力作ばかり。特に最後に演奏された前田憲男氏の「生霊」は和楽器を思わせるような音使いが秀逸なアレンジ。こういうすばらしい曲が日本にもたくさんあるんだということを再確認させてくれました。また、9回目を迎えるこの企画は毎回様々な共演者を迎え興味深いプログラムが組まれています。今回はなんとコンテンポラリーダンスとのコラボレーション。ビッグバンドサウンドにあわせて、前田和子氏を中心とした3人のダンスグループが即興?で舞うという趣向。スペースに限りがあるためやや踊りづらそうだったのが残念でしたが、斬新な演出による張りつめた緊張感がライブ空間に満ちていました。異種共演こそジャズの醍醐味ですね。  選曲・演出からメンバーに若手を積極的に起用するなど、宮間氏64年の一貫した姿勢を感じさせてくれるすばらしい公演でした。ますます今後のこのバンドの活躍に期待します。 指揮 宮間利之 sax 川村裕司(副指揮)・澤田一範・渡辺てつ・大内満春・渡邊 滋 tb 三塚知貴・中 雅志・高橋英樹・朝里勝久 tp 竹田恒夫・牧原正洋・菊池成浩・伊勢秀一郎 pf 松本全芸 b 堀 剛 g 山木幸三郎 ds 坂田 稔 ダンサー 前田和子・内藤竜子・矢頭和子

Set List アランフェス協奏曲 Doxy アンソロポロジー 処女航海 直立猿人 チュニジアの夜 I Thought About You〜君のことばかり〜 ニューハード・セレナーデ スイングしなけりゃ意味がない 生霊(いくすだま) TSUN(土屋 章)BIGBAND! 編集長




Photo:Akira Tsuchiya

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